痩せの大食いという言葉がある。
つまり「大食いなのに」なぜか「痩せている」わけだ。
なんだろうこれは?
「食物を摂取し、運動エネルギーとして消費されなかったエネルギーは
肉体に残り、脂肪として置き換えられ蓄えられる」はずである。
そうでないならばおかしい、質量保存の法則に反している。
にも関わらず、明らかに一般人より多く食べ、運動量もさして変わらない。

にも関わらず太らない、それどころか不自然なほどに痩せている人がいる。 常に体重増加の危険に怯え、好きなものを好きなだけ食べることを許されない身としては うらやましい限りであるが、不可解としか言いようがない。
これはいったいどうしたことだろうか?

いくつか理由が考えられる。

【1】.痩せの大食いの人の体内で質量保存の法則が変容している
【2】.エネルギー消費量が一般の人よりも多い(つまり燃費が悪い)
【3】.エネルギーを吸収しきらずに排泄している
【4】.病気

まず【1】の可能性を考えてみよう。

質量保存の法則というのはフランスの科学者「アントワーヌ・ラヴォアジエ」が提唱した法則で 難しいことを言うのもアレなので簡単にまとめると 「物体の質量はその状態、位置が変化しようとも一定である」ということである。
これはもちろん物体からエネルギーとして抽出されたものも同様で食物を摂取し、消化し、それをエネルギーとして使用した場合 そのエネルギー分しか身体を動かすことはできないということで 逆にエネルギーとして使用されなかった場合でも失われることはないということである。

よって、
摂取したエネルギー=代謝のために消費されるエネルギー
+行動に使用したエネルギー+使用されず蓄えられたエネルギー

とならなければおかしい。
質量保存の法則が変容するとはどういうことか?
質量保存の法則が適用されないとなると、それはかなりヘンテコなことになる。
例えば質量保存の法則が変容し、質量が増加した場合、こうなる。

500mlの水を凍らせる→氷になる→氷を溶かす→600mlの水になる

こういうことである。
逆に質量保存の法則が変容し、質量が減少する場合・・
平たく言うとそのうち世界が消滅する。

世界を消滅させるわけにはいかないので質量保存の法則を疑うのはやめようと思う。

となると次は【2】に考えが至る。

同じだけのエネルギーを摂取しても、消費するエネルギーの係数が一般の人よりも高ければ、結果的に釣り合いが取れ、 太らないということだ。
具体的に言うと、人間には体温というものがあるわけだが これももちろん食物から摂取したエネルギーを熱エネルギーに転換することによって発生している。
そして皆さんご存知の通り人間の基本的な体温(平熱)は人それぞれに違い、高い人と低い人がいる。
とすれば自己の体温を平熱に保つのに消費するエネルギーは当然それぞれ違い 熱もエネルギーである以上、高く保つためには多くのエネルギーを消費しているはずである。
それがどれほどの差かは残念ながらわからないが、平熱の高い人と平熱の低い人では 同じ行動を取っても少なくとも多少はエネルギーの消費量が異なり(燃費が違う)
当然平熱の高い人の方が多く食べても太らないのではないだろうか?
おお、なんだか言っててそんな気がしてきた。
しかし、いくらなんでも2倍も3倍も食べたエネルギーが全て燃費の良い悪いで片付くか?と考えると疑問を感じる。
もちろん燃費が悪いとしたら体温だけでなく、基礎代謝機能やらなんやらとあるのだろうし 「基礎代謝機能を上げてダイエット!」などという言葉も実際によく聞く。

が・・よく考えたら燃費がそれほどに悪ければ普通の食事ではまかないきれないわけで エンゲル係数も跳ね上がり、まともな生活ができない可能性はないだろうか?
うーん・・悪い考えではないと思うのだが、いかがだろうか。

次に考えられるのは、【3】の「エネルギーを吸収しきらずに排泄している」だ。
つまり単純に吸収してないということ。

吸収しなければ余ることもない。
余らなければ蓄えられることもないわけだ。
「栄養を取る」というのは
食物を口から取り込み、胃で溶かし、腸でエネルギーとして吸収する
という3つのプロセスを持っている。
胃で溶かしきれなければ吸収は困難で、原型に近いまま排泄される。
消化しにくい食べ物がダイエットによいというのはこのためだ。
腸でエネルギーとして吸収されなければもちろんエネルギーとはならない。
この場合はエネルギーとなる物質が吸収されずにそのまま排泄される。
どう考えても健康そうには見えない・・そのうち死んでしまうのではないだろうか?

最後は単純に「病気」という可能性が考えられる。

命に関わる一部の病気は著しく体重を低下させるしそれほどでなくても病気で体重が増えたということは聞かない。
が・・よく考えたらそのような状況で「大食い」ができるはずがない。
しかし【3】のような状況を引き起こす病気が存在する場合はその限りではない。
しかし痩せの大食いの人が病気のせいで大量に食べるなどとはあまり考えたくないものだ。

 

 

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