『大盛りカレーライス3kg、フリーター、佐藤S彦さん』
『キングラーメン、11分23秒、近大、井上Y介さん』
『金一封プレゼント!!』
等と張り出された店は今もあるがそういうところで一人モヤシラーメンなどを啜っていると何かとても惨めな気持ちになる。
とはいってもカレーライス3kgも食べるのはどう考えても阿呆なのであるが『大食い』とは才能でありとても羨ましくもある。
大食い、大飲みというと我々が想像するのはやはりお相撲さんなのではないだろうか。
私の父に良く連れて行ってもらった寿司屋ではよくお相撲さんが来るらしいのだけども
その店主いわく平均190〜230個くらい食べるそうなのである。
普通の回転寿司で考えると一貫で一皿と呼ばれるようなものが無かったとして
230÷2=115
115皿を平らげることになる。
私はあまり回転寿司というのに行った事が無いのだがせいぜい12皿(デザート込み)ぐらいであったと思う。
脅威以外何者でもないこの数字であるが食べ物というジャンルの
【お酒】に絞るとさらに凄い人がいる。腰をすえれば6升もの酒を飲む人や
ビールの大ジョッキにボトル2.5本ぶんのウィスキーをなみなみと注ぎ込みそれを一息で飲み干した関取もいたそうである。
(ちなみにその関取はそれを行った年の場所を欠場した。理由は胃炎である。)
更に時はグググっと遡って文化14年(1817年)両国の万八楼という所で大酒・大食い大会なるものが行われた時のご飯の部では
『三河島、三衛門(41) メシ68杯(醤油2合)』という記録がある。
ご飯の量もさながらではあるがそれを醤油2合をオカズとしてやっつけたのであるから変人としかいいようがない。
天保2年にも『天保大食会』なるものが行われその時の参加条件は1合5勺入りの茶碗に
山盛りの飯を15杯食べた物だけが自分の好きなものを選択して食べられるという物だったのだが『太田屋喜兵衛ー蜜柑505個』
という記録がある。505個ってだけでも凄いとは思うがそれが
ご飯を15杯食べた後の記録だというから開いた口がふさがらない。
文豪にも沢山食べる人はいるようで【吉田健一さんの『舌鼓ところどころ』中央公論社】の中に
「我々は余り慾を出してはならないので、鰻丼の後で親子丼を食べて
それでもどことなく物足りないのならば、鴨南蛮を1つ頼む程度ならば
満足すべきである」
というのがある。普通の人の三食分も一気に食っといて『満足すべき』はないだろう。
どうにも沢山食べる人というのは変り種がおおいようである。
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