そもそも大食いの定義とはなんだろう?
当然考えられるのは、通常の人よりも多く食べる人のこと。
しかし体格や性別で食べる量も変わるし、運動量でも基準となる食事量が変わってくるはず。
もちろん大食いの基準だって変わってくるだろう。
身長190cmで体重80kgの見事な肉体美のスポーツマンが身長150cmで体重42kgの小柄な女性の2倍以上の食事をしても
大食いとは言わないのではないだろうか?
それはもちろん相対的に見ればその女性よりもスポーツマンの方が大食いであることは間違いないのだが、
それだけ身体の大きな男性ならそれぐらい食べて当然、それを大食いだ!と言うのはバランス感覚に欠ける。
やはり大食いというカテゴリをその人物の特徴として持たせるためには
同程度の体格で、並の食事量の人物と比べて、明らかに多く食べる人である必要がある。
身長190cmで体重80kgのスポーツマン(仮に彼を山本君と呼ぶ)が大食いと呼ばれるために
同じく身長190cmで体重80kgの肉体を誇るスポーツマン(仮に松尾君)の食事量の少なくとも2倍ぐらいは食べてもらいたい。
もちろん無理に詰め込むのではなく、自然に。
さて、ここで問題となるのが身長150cmで体重42kgの小柄な女性の場合である。
そもそも小柄な彼女は(仮に小野さんとする)松尾君の半分ほどしか食べない。
その小野さんの2倍食べる同じような体格の女性(仮に藤田さんとする)がいたとしても
松尾君の通常の食事と同じ程度しか食べないわけだ。
この場合は確かに小野さんより藤田さんの方が2倍大食いであると言える。
しかしながら所詮松尾君と同じ程度の食事量なので、それだけを見ても
他人から「大食いだね」と呼ばれるほどのことではないのではないだろうか?
とすればこれは問題である。
個性というものを必要以上に重要視する昨今の風潮において
「大食い」というのもひとつの個性として1人の人間のアイデンティティとなりうる。
であるからして「通常の2倍食べる」という同じ行動を取る松尾君と藤田さんのうち
藤田さんだけが個性としての「大食い」を得られないというのはまさに悲劇としか言いようがない。
これではあんまりである、藤田さんがかわいそうだ。
どうにか藤田さんのためにもこれについての打開策を考えなければならない。
でなければもう二度と出てこない山本君や小野さんだって浮かばれまい。
・・・
・・・・・・待て
待て、待つんだ、本当にそうか?なにを言ってるんだ私は。
変な方向に行ってないか?
うん、行ってた。
取り合えず大食いと呼ばれるためにはやはり客観的に見て「すごい量」を食べなければならないということがわかった。
つまり根本的に食事量の基準の低い小柄な人は同じ体格の人と比べた比率で大柄な人よりも多く食べなければ
大食いと呼ばれないということである。
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